ヨガの瞑想の中から、いくつかの種類とやり方についてご紹介します。
瞑想は、必ずこうしなければいけないといったものではなく、目的や好みによって使い分けをすればOK。どんな方法でも、毎日瞑想を続けていくことが大切です。瞑想の習慣は、長く継続することで大きな力を発揮します。
今から10年近く前のテレビ番組で、「お坊さんがバンジージャンプをする」という企画がありました。飛んでいるときのお坊さんの心拍数は、通常の時の心拍数と同じだったそうです。
飛んでいるときのお坊さんは何に意識を向けていたかというと、「考えても仕方がない」と割り切り、不安をふくらまさず、聞こえてくる鳥のさえずりや川のせせらぎ、風の音を聞いておられたそうです。
お坊さんは、毎日座禅を組んでいらっしゃいました。普段から瞑想を習慣づけていると、日常生活で、余計な思考や感情にとらわれることが少なくなっていきます。
瞑想で一点に集中する訓練をすることで、日常生活で集中力がアップするのはもちろん、普段から、客観的に自分を俯瞰して眺めることが出来るようになりますよ。
瞑想とは
古くからヨガは、瞑想を中心に発展してきました。ヨガの経典「ヨガ・スートラ」の中では、ヨガとは「心を制御することである」と定義されています。ヨガの本来の目的は、「心を制御して、本来の自分と一体になり、最終的に、悟り(サマーディ)に至ること」です。
「ヨガ・スートラ」の中に、「アシュタンガ(8支則)」があります。「アシュタンガ(8支則)」とは、悟りにいたるまでの8つの行法のことを指します。「瞑想(ディヤーナ)」は、その8支則の中の一つです。瞑想とは、悟りに至るための行法であり、アーサナなどの体を動かすポーズは、本来、瞑想に入りやすくするための準備運動の役割があります。
↓サマーディについて書いています。
ヨーガスートラと瞑想
ヨーガスートラでは、本当の自分は観る者(ドラシュター)であると説いています。泣いている時、苦しんでいる時、心は常に揺れ動いているのに、そんな心の動き(ヴルッティ)をどこかで冷静に見つめている自分がいますね。観る者である本当の自分は「常に静かで穏やかな状態」です。
心の動き(ヴルッティ)は本当の自分ではなく、この世を体験する器であり、心の動き(ヴルッティ)と自分を同一視することを止め、苦悩になる考え(クリシュター)から距離を置き、心の動き(ヴルッティ)を静かにする(ニローダ)練習が瞑想だと説いています。
苦悩を収める(ニローダ)には、繰り返しの練習(アッビャーサ)と正しい見極め(ヴァイラーギャ)が大切だと述べています。
意識を1点に集中させ(ダーラナー)、それをある程度続けている状態が瞑想(ディヤーナ)です。さらに瞑想が深まり、本当の自分に対するはっきりした理解が現れ、自分の考えの動き(ヴルッティ)がなくかったかのようになる深い瞑想が(サマーディ)です。
坐法と印
瞑想には基本的な姿勢の型があります。坐法と印の代表的なものをご紹介します。
坐法(座り方)で大切なことは、骨盤を立て、背筋を伸ばして座ることです。なぜなら背骨に沿ってスシュムナーというプラーナ(生命エネルギー)の通り道があるためです。ヨガでは、尾骨にクンダリーニという生命エネルギーがあると考え、それがスシュムナーに沿って上昇するとされています。
↓クンダリーニヨガの項目で詳しく書いています。
座っている自分の体のことを忘れるくらい、48分間(1ムフルタという時間の単位)動かず座り続けることができたらアーサナ・シッディ(アーサナを達成した人)と呼ばれます。
印(ムドラー)とは、「鍵」や「封印」という意味で、手や指の組み方を指します。ヨガでは、人間の体の中にはプラーナ(生命エネルギー)が流れていると考え、手や指の合わせ方によってプラーナの流れをコントロールします。合わせる指によって効果が変わるとされます。
ヨガでは「パドマアーサナ」、仏教では「結跏趺坐(けっかふざ)」と言います。まず最初に両方のお尻に体重を均等にかけて座ります。右足を左の太ももの鼠径部に足の甲がつくように乗せます。次に左足を同じように右足の太ももの上に乗せます。
ヨガでは「アルダパドマーサナ」、仏教では「半跏坐(はんかざ)半跏趺坐、賢坐」と言います。片足を太ももの上に乗せます。
ヨガでは正座のことを「ヴァジュラーサナ」と言います。ひざを曲げて足の裏にお尻を乗せて座ります。
一般的なあぐらのことをヨガでは「スカーサナ」と言います。両膝を開き、体の前で両足首を組んで座ります。
ヨガでは「半分の達人座」は「アルダシッダーサナ」と言います。あぐらの状態から、手前においた足のかかとを会陰にあて、両かかとを体の前の真ん中に揃えるようにします。足同士は重ねません。
達人座のことを「シッダーアーサナ」と言います。「アルダシッダーサナ」の状態から、外側の足を、手前の足の上に重ねます。
ヨガスタジオなどで、ヨガインストラクターが座っているのは、「アルダシッダーサナ」が多いようです。
右の手は、指先を左に向け、手のひらを上に向けます。その上に左の手のひらを上にして重ねます。両方の親指は指先を軽くつけます。
現実世界を表す左手と仏の世界を表す右手を組み合わせて一体化を表します。深い瞑想に入っていることを示します。
ヨガでは「チンムドラー」と言います。親指と人差し指の先をつけて輪をつくり、他の3本はまっすぐに伸ばし手のひらを上に向けます。ヨガでは、指の1本1本に意味があり、親指と人差し指をつなぐことによって、エネルギーを内側に循環させる狙いがあります。
チンムドラーに対する解釈は諸説あります。
1説
親指と人差しは「変わらない本当の自分」を意味し、残りの3本の指は「この世を体験する器であり、変化するもの」という意味で、「本当の自分」と「それ以外の自分」という区別を表している。
親指 … 宇宙意識(ブラフマン)
人差し指 … 真我(アートマン)
中指 … 純粋性(サットヴァ・グナ)
薬指 … 動性(ラジャス・グナ)
小指 … 惰性(タマス・グナ)
2説
親指が超越した自分を表し、人差し指が世俗の人間である自分を表す。親指と人差し指をつなぐことにより、超越した自分(神)と一体になる。残りの3本の指は、世俗を表し、世俗から離れ手放すべきものという象徴の意味を表す。
親指 … 神・宇宙
人差し指 … 心・自我
中指 … プライド
薬指 … 欲望
小指 … 無知
ヨガでは両手の手のひらをあわせる合掌のことを「アンジャリムドラー」と言います。合掌することで、呼吸や神経のバランスが整い、安定した状態を作ります。
瞑想への3つのアプローチ
深い瞑想状態に至るまでのアプローチの方法は、大きく分けて3つあります。どれが正解というわけではありません。目的や好みで使い分けましょう。
宇宙と一体化することを目的とした瞑想法。自分の内側にある宇宙意識(本来の自分)とつながる瞑想です。心を静かにして、自分の内側に意識を集中させます。自分の内側に広大な宇宙が広がる感覚、「愛」という感覚を体験できます。マントラを用いることもあります。
チャクラや、体のある部分に意識を集中させる瞑想法。会陰、丹田、みぞおち、胸の真ん中、喉、眉間、頭頂と下から順番に意識を集中させて、自分の体や心の変化を内観する。例えば、丹田に意識を集中させると、体がボァーっと温かくなって来たりします。丹田は、エネルギーの貯蔵庫と言われています。でも感じ方は人それぞれです。これが正解といったものはありません。
道具を使ってそれに意識を集中させ、瞑想状態を作っていきます。シンボルやお気に入りのグッズ、写真など、対象物をひとつ決めます。それをぼんやりと焦点をはずした目で眺めます。対象物を心の中でイメージしていくうちに、対象物と自分の境目がなくなっていき、心が整っていく瞑想法。マントラを用いる瞑想もここに分類される。
瞑想のやり方(基本)
瞑想をするときは、環境・姿勢・呼吸の3つを整えることがとても大切です。瞑想のやり方はいくつかバリエーションがあります。それぞれご紹介しますので、気に入ったやり方を試してみてくださいね。
環境
散らかったお部屋や、騒々しい場所では瞑想に集中できません。静かで清潔な環境を用意します。瞑想するときは、自分が心地よいと思う場所で、決まった時間、決まった場所で行います。瞑想を、毎日の習慣にするためです。
リラックスできるように、アロマを焚いたり、静かなBGMを流してもOK。間接照明で、お部屋をくつろいだ雰囲気にするのもおすすめです。
姿勢
背筋を伸ばして、胡坐で座ります。肩と腕はリラックスして、手の平は、自由な形で膝にのせます。目は力を抜いて閉じ、口元は軽く微笑みます。
胡坐がつらい方は、椅子に座ってもOKです。その場合は、背もたれから体を話して、椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばし、両手は楽にして、太ももの上に置きます。
呼吸
背筋を伸ばして胸を開き、呼吸しやすい姿勢にします。腹式呼吸を行います。呼吸は自分にとって無理のない、自然なペースで行います。
瞑想
呼吸に意識を向けます。雑念が頭に浮かんで来ても、そのことにとらわれず、再び意識を呼吸に戻します。雑念が頭に浮かんできたら、また意識を呼吸に戻す…を繰り返します。30分くらい座るのが理想ですが、忙しければ、3分でも5分でもOK。
環境・姿勢・呼吸までは上記と同じでOK。
瞑想
自分の好きなイメージをひとつ選びます。好きな景色や、好きな花、好きな食べ物、好きな人など気持ちがリラックスできるものなら何でもOK。瞑想するときは、そのイメージに意識を集中します。実物を使う場合は、目の前に実物を置いて、半眼でボーっとそれを眺めます。
環境・姿勢・呼吸までは上記と同じでOK。
瞑想
聞こえてくる音に意識を集中する瞑想法です。鳥のさえずりや、波の音、雨の音などの環境音を瞑想用に作られた音源などを使って瞑想します。そういった音源がなければ、周囲から聞こえてくる音に意識を集中します。瞑想に使用する音は、音楽などのメロディがあるものは避けます。
ヨガ哲学の講師であり、ヨガ哲学の本も多数出版されている、向井田みおさんの瞑想法をご紹介します。
環境
部屋の東北に位置する場所に、瞑想する場所をつくり、いつも清潔に保ちます。そして瞑想するときは、北側を向いて座ります。瞑想する時間は夜明け頃がベスト。照明はつけるなら、やや暗めに。窓は出来れば開けて、喚起を良くします。サンダルウッドなどのアロマを焚いてもOK。
姿勢
胡坐で座るか、椅子に座っても構いません。体と顔をリラックスさせます。
呼吸
ナーディ・シュッディ(ナーディ・ショーダナ・プラーナヤーマ)で気の通りをよくしてから、普段の呼吸に戻します。
瞑想
役割を取る
自分自身につけている役割をはずします。役割とは例えば、「女性」「母親」「妻」「会社員」「ヨガが趣味」とかの肩書きの他、「優しい」「せっかち」「怒りっぽい」とかの自分で自分はこういう性格だと決めつけている部分です。
そこからいったん離れて自由になり、自分を客観的に、俯瞰して眺めます。
内観する
呼吸を観察します。呼吸している自分をまるで他人ごとのように、俯瞰して眺めます。
そして、感覚を感じます。聞こえてくる音、匂い、床や椅子にふれている自分の体の感覚や、今自分が感じている気持ちを味わいます。
マントラを唱える
算数の計算をします。数字が思い浮かぶ場所にマントラを唱えます。(たぶん、眉間のあたりだと思うのですが。)マントラは、意味があって、形がないものを選びます。例えば「愛」「幸せ」「ありがとう」など。
心でマントラを唱え、次に沈黙して自分を俯瞰して眺めます。次に再びマントラを唱え…を繰り返します。
↓ うまくできるようになったら
心でマントラを唱え、唱えている自分を俯瞰して眺めながら、再びマントラを唱える…繰り返す。
マントラは、10~15分くらいから初めて、最終的には、108回繰り返すと言われています。
瞑想の種類
ここでは、ヨガや仏教の様々な瞑想法をご紹介します。ここで説明している内容は大まかな流れですので、興味のある方は、実際に寺院などで、指導してもらうと良いですね。
座禅
座禅とは、仏教の行法。宗派によって、やり方はやや異なります。「調身・調息・調心」の3段階からなります。「調身」とは姿勢を正すこと。姿勢を正して「結跏趺坐(けっかふざ)」又は「半跏趺坐(はんかふざ)」で座り、上半身を左右に振って重心を安定させます(左右揺振 さゆうようしん)。次に「法界定印(ほっかいじょういん)」を結びます。右の手の平を上にして、左の手の平をその上に重ねます。両手の親指の、指先同士を軽くつけます。目は半眼で、約1メートル先45度前方の床に視線を落とします。
「調息」とは呼吸のこと。口を細く開けて、大きく息を吐きます。その後は自然な呼吸を行います。
「調心」とは呼吸に意識を集中させて、微動だにしない。呼吸そのものになりきります。
1炷(線香1本が焼ける時間のこと。約30~40分。)で座禅は終了となります。再び左右揺振(さゆうようしん)をして終わります。
阿字観瞑想
阿字観(あじかん)瞑想とは、真言密教の教典である「大日経」に基づく瞑想法のひとつです。「阿」という文字に向かって瞑想をします。瞑想には段階があり、熟練度によって、数息観(すそくかん)、阿息観(あそくかん)、月輪観(がちりんかん)、阿字観(あじかん)へと進みます。
数息観(すそくかん)瞑想
阿字観瞑想の第一段階。数息観瞑想とは、インドから中国に渡り、日本へと伝わった呼吸瞑想のひとつです。
半伽趺座(はんかふざ)で座り、手は法界定印(ほっかいじょういん)を結びます。左手の上に右手を置き、両方の親指は指先を軽くつけます。半眼で視線は1メートルか1メートル半くらい先の床面を見ます。
呼吸は口から吐いて、鼻で吸います。吐くときには体の中のネガティブな気を吐き出し、吸う時はポジティブな気を吸います。吸う息は、自然を自分の体に取り入れる気持ちで行い、吐く息は、自然に自分が溶け込むような気持で行います。
1~10まで呼吸を数えるのが数息観(すそくかん)。最初は声を出して数え、10まで数えたらまた1に戻って10まで数えます。だんだん声を小さくしていき最後は心の中でとなえます。呼吸は鼻呼吸にします。1回の瞑想は10分くらいを目安にして、自然との一体感を感じられるようになるまで繰り返します。
数を数えずに自分の呼吸を淡々と観察していくことを随息観(ずいそくかん)といいます。
阿息観(あそくかん)瞑想
阿字観瞑想の第二段階。吐く息、吸う息とともに「阿」の文字を唱えます。「阿」の文字と一つになって宇宙との一体感を感じる呼吸瞑想です。
半跏趺座(はんかふざ)あるいは結跏趺座(けつかふざ)で座ります。手は法界定印(ほっかいじょういん)を結びます。半眼にして、鼻筋の斜め下に視線を落とします。
数息観(すそくかん)の呼吸法で、「阿(あー)」と唱えながら口から息を吐きます。吐く息がだんだん遠くに流れていくイメージをします。息を吐ききったら「阿(あー)」と唱えながら鼻から息を吸います。これを3回くりかえします。
鼻呼吸をしながら心の中で「阿(あー)」を唱え、「阿(あー)」の呼吸に意識を集中します。「すべてのものはあるがままに存在していて、なにも変わらない」という世界観、「すべての生き物は、自我を超えて、一つの意識として存在している」ことを感じます。5分~10分程瞑想します。目を開き、「法界定印」を解きます。
月輪観(がちりんかん)瞑想
阿字観瞑想の第三段階。心の中に月輪(満月)をイメージして、これを徐々に拡大していき、最後に宇宙との一体感を感じる瞑想です。
「月輪観本尊」の掛け軸を壁にかけます。線香を1本立てて、三礼します。「月輪観本尊」から1メートル程離れた場所に半跏趺座(はんかふざ)あるいは結跏趺座(けつかふざ)で座ります。手は法界定印(ほっかいじょういん)を結びます。左手を右手の上に置き、両方の親指は指先を軽くつけます。
数息観(すそくかん)の呼吸法で、全身をポジティブなエネルギーで満たし、瞑想に入ります。「月輪観本尊」をしばらく見つめてから目を半眼にし「人は満月のように円満で清らかな心を持つ」と念じ、心に月輪をイメージします。
心の中の月輪を胸の中に入れるイメージをします。胸の中の月輪をイメージで拡大したり、縮小したりします。心の中の月輪に、本尊との一体感を感じたら、そのイメージの月輪を徐々に大きくしていきます。自分の体の大きさを超え、家の大きさを超え、町の大きさを超え、国の大きさを超え…と続き、宇宙全体を覆うくらいに拡大したら、宇宙との一体感をイメージします。
しばらくそのままの大きさを維持した後、徐々に縮小し、元の大きさに戻し胸の中に収めます。拡大するイメージを何度も練習することで、自分の意識を限界まで拡大することができます。
阿字観(あじかん)瞑想
阿字観瞑想の第四段階。宇宙と大日如来との一体感をイメージし、御仏の慈悲の心を感じる瞑想です。
「阿字観本尊」の掛け軸を壁にかけます。月輪観(がちりんかん)瞑想の時と同様に、宇宙の真理を表す大日如来との一体感をイメージします。「すべてのものはあるがままに存在していて、なにも変わらない」世界と自分との一体感を感じることが出来たら、「阿字観本尊」の満月の中の「阿」の文字を見つめます。
心の中の「阿」の文字と大日如来が次第に一体化していくのを感じます。大日如来が現れたら、三昧の境地(集中力が極まった状態)と御仏の慈悲の心を感じていきます。
目を開き、両掌を内側に向けて、全身を頭の上から下へ体に触れずになでるようにさすります。金剛合掌をして回向文を唱え、三礼して瞑想が終了します。
TM瞑想
TMとは(トランセンデンタル・メディテーション)の略で、「超越瞑想」のことです。1950年代に、インドの物理学者で哲学者のマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーが世に広めたマントラ瞑想です。方法はとても簡単で、誰でも習得できるとあります。いつでもどこでも出来るし、効果がすぐに表れるとのことです。
床や椅子に座ってリラックスした状態で、軽く目を閉じ、シンプルなマントラを、心の中で唱えるだけです。1回20分程の瞑想を、1日1~2回行います。
深いリラックスとストレスの解放により、集中力や記憶力など、自身の能力が活性化します。
ハリウッドセレブでは、キャメロン・ディアス、ヒュー・ジャックマン、クリント・イーストウッド、映画監督のデイヴィッド・リンチなどが実践している瞑想法です。
トラタク瞑想
トラタクとは、サンスクリット語で、トラタカ(凝視する)の意味を持ちます。ハタヨガの浄化方法のひとつです。リラックスした状態で座り、1~2メートル先の、目の高さの位置にロウソクを置きます。ロウソクの炎を見つめて、炎に意識を集中させて、自然呼吸で、心を落ち着かせます。
脈拍瞑想
脈拍瞑想は、意識を集中させる対象が、自分の脈拍になります。安楽座で座り、目を閉じます。右手の4本の指を左の手首に添え、自分の脈拍を測ります。息を吸って吐くときに、「サット ナム(私は私)」というマントラを唱えます。これを5分間続けます。脈拍に意識を集中させて、心を落ち着かせる行法です。
ヤントラ瞑想
ヤントラとは、ヒンドゥー教の祭儀や瞑想で使用する神聖な幾何学図形のことです。ヤントラ瞑想は、この神聖幾何学図形に意識を集中させて行います。目を遠くを見るように焦点をぼかして、ぼんやりと図形を眺めます。次に目を閉じて、さっきまで見ていたヤントラを瞼の裏に5~15分程イメージで再現します。
ヨガと瞑想のページでご紹介しているチャクラのヤントラ
ヨガニードラ瞑想
ヨガニードラ瞑想とは、眠りのヨガともいわれます。サンスクリット語で「ニードラ」は「眠り」という意味です。仰向けに横たわり「シャヴァーサナ(亡骸)」のポーズをとり、目を閉じます。ガイドの誘導に従い、体の一つ一つの部位の緊張を解いていきます。体は深いリラクゼーションを感じながら、意識ははっきりと覚醒している状態。
自分で行う時は、足の先から細かく意識を移動しながら、吐く息で、力を抜いていくとうまく行きます。
ヴィッパーサナ瞑想
ヴィッパサナーとは、「ものごとをありのままに見つめる」という意味です。インドに古くから存在する瞑想法で、約2,500年程前に、ゴーダマ・ブッダによって再発見されました。ミャンマーに伝わっていた瞑想が、インド系ミャンマー人のサティア・ナラヤン・ゴエンカ氏によって、近代になって世界に広まりました。
心に浮かんでくる思考や感情を判断せず、ただ観察し、瞬間瞬間を体験することに意識を集中することで浄化する行法です。
マインドフルネス瞑想
「マインドフル」とは、「今この瞬間、ここにいる」という意味です。マインドフルネス瞑想とは、今という瞬間に気づくこと。「今ここ」に意識を集中させる瞑想法で、自分の置かれた状況や、周囲がどんなものであれ、判断や拒否、評価をせず、ありのままに受け入れて、今だけに意識を向けるところがポイントです。
雑念が思い浮かんだり、心配事が心の中に去来してきたら、そのことに気づき、意識を瞑想に戻します。マインドフルネス瞑想には代表として、呼吸瞑想、歩く瞑想、食べる瞑想、慈悲の瞑想、ボディスキャン瞑想の5つがあります。
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